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職人たちを繋ぎ、新たなモノヅクリを築く。人と人との絆をつくるモノヅクリ。

Update: 2016.06.30|CategoryTOPICS, よみもの

トロフィー佐藤は、その名の通り記念品を制作している企業。
今回、お話を聞かせていただいた代表取締役である佐藤さんが養父から受け継がれた、創業55年の老舗企業です。
100周年、150周年など会社の周年行事で使う記念品をはじめ、K-1のチャンピオンベルトも作っているのだとか!

記念品を作ることなんて、普通に生きていたら、一生に数回あるかないかだと思います。
しかもいざ作るとなっても、何から手をつければいいのか分からないですよね。一体どんな風に制作されているのでしょうか?

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佐藤「現在、未来…ご依頼主の思い描いているものをお聞きしながら提案し、デザイン案を出します。出来合いのモノもやるけれど、それよりはオリジナルのモノを作って行きたいと考えています。記念品は、すぐに必要なものではないですよね。でも、例えば、両親が今年還暦になるから何か記念品を作りたい…となったときに、あ。トロフィー佐藤さんがいるな。と思い出してもらえるように、隔月4Pの読み物を作り知り合った方に贈っています。冊子になると捨てられないでしょう?(笑)弊社のことを忘れられないようにすることも大切なのです。」

いままでの作品のなかには、こんな変わり種も。

佐藤「数年前にインターネットの広告賞で作ったトロフィーです。コンピューターの世界なので2進法をイメージし、数字が膨大に並んだデザインなのです。依頼されたとき、数字の穴から向こう側がみえるようにしたい。と言われたのです。その制作があまりにも大変すぎて、日本中に依頼したけれど断られ、最後に弊社に来られました。」

どの企業でも断られたなら、さぞかし大変だったのでは?

佐藤「そうですね。この作品を作るためには、鉄の塊を炎で切る「溶断」という行程が必要となるのですが、日本でこの行程ができる企業は3、4社しかないんです。そこで大事なのは、いかにモノヅクリの企業を知っているかということ。この技術はこの会社が持っている、この職人さんなら出来るという知識とコネクションですね。

そのためにも日々、日本中津々浦々作り手の工房に足を運び、見学しています。従来の企業では無理な仕事でも、職人さんにできそうな人や会社を聞いてまた人と会い、新たな作り手と出会うことの繰り返しです。」

たくさんの人が関わる仕事だからこそ、佐藤さんは“みんなが気持ちよく仕事ができること”を大切にされているのだそう。そのために工夫されていることはありますか?

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佐藤「電話で済むところも、わざわざ会いに行くこと。ううん…と渋っていた職人さんも、『社長に来られたらやるしかないじゃん〜』と笑顔になってくれ、仕事がスムーズに進みます。もちろん根底には職人さんたちへの尊敬の念があるからこそなんですが。

完成した作品をみることがまた楽しみで。職人さんたちの技に子供みたいに感動してしまうんですよ。すごいね!よくできたね!と喜ぶ僕の姿をみて、職人さんがまた喜ぶという。(笑)あえて余計なことをする。ひと手間を惜しまない。」

どうすればより良くなるのか、どうすれば気持ちよく仕事をしてもらえるのか。ということを常に真摯に考え、仕事を進めている佐藤さん。そしてたくさんの人たちと関わる仕事だからこそ、「伝える」ということをとても大切にしているのです。話が長くなりそうなときはメールで送らない。メールよりは電話。電話よりは会う。伝え方は非常に大切にされていますね。

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「このためだけにきたの?とよく言われます。(笑)電話だと相手の顔をみることができないから、気持ちが伝わりづらいと思うんです。普段からちゃんとコミュニケーションを取るようにしています。」

現在はその繋がりから新たな「モノヅクリ」を展開中。すべて天然素材で作られ、歯周病が99.9%消える『木曽檜歯磨きジェル』をはじめ、『持ちはこびのできる超軽量ハンガー』『健康ソックス』『何度も使える不思議なシール』『足のにおいが消えるインソール』などなど。どの事業も人との繋がりから生まれたもの。

自分が何かを作る“モノヅクリ”だけでなく、人と人をつなぐことで、新たなモノヅクリの輪を広げているのです。様々な事業を手掛けることは、時間的にも作業的にも大変なことが多いのでは?

佐藤「きちんと軌道に乗せたら、全部向こうに任せることが出来る仕組みを作りたいと考えています。ですので、いまも自分がいなくてもまわるように進めているんですよ。頭の中を常にクリアにしておき、ものごとをなんでもシンプルに考えることが大切。」

佐藤さんのもとには、今日も様々な業種の人たちから連絡がはいります。それも、「大工を紹介してほしい」「これを作りたいんだけど、こんな人知りませんか?」「この技術を持った職人さんを教えて」などなど、すでに人材派遣会社の域なのでは…?と思ってしまうほど。人との繋がりを大切にされているからこそ、人が自然と集まってくるのだなと実感。

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どんな仕事をする上でも大切なポリシーと、新しいことを恐れず、どんどんチャレンジする姿勢が新たなモノヅクリを生み出しているのだと思わずにはいられません。

 

 

文/東山サリー